実対称行列のスペクトル分解
を或ることに使いたいので、線形代数について事実の纏め。
■ベクトル空間
- 集合 、体 が次の条件を満たすとき、 を 上のベクトル空間と呼ぶ。
- が の和とスカラー倍に関してベクトル空間となるとき、 を の部分空間と呼ぶ。
- 空でない に対して、 は の部分空間となる
- が の部分空間のとき、
- は を含む最小の の部分空間となる
- は の部分空間となる
- のとき、 を と の直和と呼び、 で表す
- は一般に部分空間ではない
- は 次の算法で 次元ベクトル空間となり、数ベクトル空間と呼ぶ
■内積
■次元
- は に対して一意に定まり、 の 上の次元と呼ぶ
- のとき、 を の基底と呼ぶ
- 基底 を一つ選ぶと、 の任意の元 は と一意に表される
- のとき、 を直交基底と呼ぶ
- さらに のとき、 を正規直交基底と呼ぶ
■線形写像
- は の部分空間となり の像と呼ぶ
- その次元 を のrankと呼ぶ
- は の部分空間となり の核と呼ぶ
- その次元 を のnullityと呼ぶ
- となる
■行列
- の基底 と の基底 を固定すると、 と一意に表せる
- に対して、 となるので、 は行列 で表せる
- を に関する の表現行列と呼ぶ
- 行列 に対して を のrankと呼ぶ、ここで は の第 列とする
- となる
- 2つの行列 に対して、 は共に の表現行列 正則行列 が存在して
■特殊な線形変換/行列
- なる線形変換 を直交写像と呼び、その表現行列を直交行列と呼ぶ
- なる線形変換 を対称写像と呼び、その表現行列を対称行列と呼ぶ
- なる線形変換 をベキ等写像と呼び、その表現行列をベキ等行列と呼ぶ
- の直和分解 が存在し、 に対して なる線形変換 を射影と呼び、その表現行列を射影行列と呼ぶ
- 対称な射影を直交射影と呼ぶ
-
- が直交行列
- が対称行列
- がベキ等行列 は射影行列
-
- 射影 が存在し、次の4条件を満たす
- 射影 が存在し、次の4条件を満たす
■固有値
- 線形変換 に対して なる と があるとき、 を の固有値、 を に対応する の固有ベクトルと言う
- の固有値 に対応する固有ベクトル全体に を加えた集合 は の部分空間となり、 に対応する の固有空間と言う
- 線形変換 を正方行列 として、に対しても同様の概念を定義すると
- が実対称行列のとき、
- は重複を許して 個の固有値を持ち、それらは全て実数
- なる は直交行列
- 次を満たす正射影行列 が一意に存在する
- の正規直交基底を とすると、 の 成分は