シュレディンガー方程式までの量子力学
を勉強したので、そのまとめノート。
- 溶鉱炉内の鉄の温度を、放射される光の色(振動数、波長)から判定したかった
- 外からの入射する全波長の電磁波を吸収して(=外から得たエネルギーを)内部に熱放射する空洞(=黒体)で、光の強さ(=温度=エネルギー=振幅)と放射される光の振動数の分布を調べた
- 実験の結果は次の通り
- 振動数が高くなるにつれ放射される光は多くなるが、ある振動数をピークとして放射される光が少なくなる
- 温度が低いときはピークとなる光の振動数は低く、温度が高くなるとピークの振動数が高くなる
- 放射される振動数 の光に対する光の強度 の公式は次の通り
- プランクの公式の解釈は次の通り
- エネルギーにはエネルギー量子という最低の単位があり、それは振動数に比例した になる考えると辻褄が合う
- は となるような定数
- ヴィーンの公式が低温で一致しないのは、エネルギーが 単位でなく連続と考えているため
■光量子仮説(アインシュタイン、1905年)
- 金属に光を照射すると光が飛び出してくる(光電効果)
- 金属の表面にある電子が光からエネルギーをもらって、勢いあまって飛び出すと考えれば不思議ではない
- エネルギーが小さいと飛び出しにくく、大きいと飛び出しやすいと想像できる
- しかし、赤い波長の光であれば、どれだけエネルギーが大きくても(=明るくても=振幅が大きくても)電子は飛び出さない
- 対して、紫の波長の光であれば、どれだけエネルギーが小さくても(=暗くても=振幅が小さくても)電子は飛び出す
- 振動数νの光はエネルギーがhνの粒子(光量子)と考える(仮説する)と、次のように考えられる
- 振動数の小さい赤い光(=エネルギーの小さい光)がいくら沢山ぶつかっても(=振幅が大きくても)、電子は動かない
- 振動数の大きい紫の光(=エネルギーの大きい光)は一つぶつかられれただけで(=振幅が小さくても)、電子は動いてしまう
■コンプトン効果(1923年)
■ラザフォードの原子モデル(1911年)
- 原子の中心には非常に小さく、電子と比べると重い核があり、その周りを電子が回っており、核と電子は電気的な引力で引っ張られている、と主張
- しかし電子は円運動をすると電磁波を放出する
- 放出した電磁波のエネルギー分だけ電子はエネルギーを失う
- よって電子は徐々にエネルギーを失い、やがて核に向かって落ちていくはず
- つまり電子からの放出される光の振動数は、連続的に変化する(連続スペクトル)はず
- 実験の結果、電子から放出される光の振動数は飛び飛び(線スペクトル)で、決まった波長の光だけであった
■ニールス・ボーアの原子モデル(1913年)
- 電子は原子核の周りに波動として存在すると考える
- 両端が固定された弦では、振動数は1、2、3、…の値しかとり得ず、波長は弦の長さλに対して λ、λ/2、λ/3、…となる
- 波長を固定して考えると弦の長さは波長の整数倍となる
- 原子で考えた場合、電子の軌道半径 は下記の物質波を使うと、 () となり、飛び飛びになる
- 振動数1より小さい軌道はないから、電子は核に向かって落ちていかない
- 第2、3、…、軌道上の電子は、下の軌道におちる可能性があるが、軌道差のエネルギーの光が放出されるので、放出される光の振動数は飛び飛びとなる
■物質波(ドブロイ、1923年)
- 光が波動であるにもかかわらず粒子の性質を持つなら、粒子である電子が波動の性質(物質波)を持ってもおかしくない
- 質量 の物質が速度 で飛んでいるときの運動量は 、運動エネルギーは
- 波長 、振動数 の波動は、速度が 、エネルギーが 、なので運動量は
- なので物質の波長は
- 電子の干渉現象が実験で確認された
- 物質の運動エネルギーは 、波動のエネルギーは 、運動量は 、なので
- 波長 、振動数 で 軸方向へ伝播する波は、時間 において
- 、なので
- 、なので
- よって、
- 一般の場合は、3次元であって、かつ位置エネルギーも考えるので、
- なので、
- 未着手